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クリュン(クリュンコーフ)、イワン・ワシーリエヴィチ
KLIUN(KLIUNKOV), Ivan Vasilyevich
1870(1873?)年 (旧キエフ県ボリシーエ・ゴルキ村) −1942(1943?)年 (モスクワ)
画家、版画家、彫刻家。芸術に関する論文多数。

54
花と水差しのある静物
Still-life with Flowers and a Jug
1929年
油彩・カンヴァス 107×99cm
1973年、G.V.ルナチャルスカヤから入手 ZhB‐10795

クリュンはマレーヴィチの当初からの追随者の一人であり、おそらく、もっとも徹底したシュプレマティズムの信奉者であった。 そして、スターリンによる抑圧の時代にもアヴァンギャルドの掲げた理想を裏切ることはなかった。
1920年代の作品をはじめ、クリュンの無対象のコンポジションは広く知られている。 そのため、《花と水差しのある静物》の公開は一種の衝撃であった。 マレーヴィチのシュプレマティズムの領域のなかで探求していたものと様式的にまったく相反する作品だったからである。 クリュンの創作活動における急激な方針転換の理由を説明するのは難しい。 創造的な実験の自由に対する国家の弾圧政策の結果、主題のある具象絵画に傾斜していった、という見方は単純に過ぎるであろう。 こうした動きはさまざまな理由が絡み合って生じたもので、1920年代末から1930年代初めにいたるヨーロッパ絵画でも同じような傾向があった。
この作品では二つの潮流が結合している。 思考の合理主義と厳格な構成感、キユービズムやシュプレマティズムに起源を持つさまざまな特徴、それと、どちらかといえば、プリミティヴな芸術に近い、素朴で極度にシンプルな造形処理との結合である。
カンヴァスに描かれたものはいずれも具象的で、分かりやすいが、それと同時に、《花と水差しのある静物》は画家の想像の産物である。 空中で静止したトンボや、厳格な秩序の下で配置され、物質性を喪失した小道具の花は、水差しと同じく、総体として目に見えるものの表象的なシンボルになっており、新しいリアリズムの傾向と過去の実験とが妥協の産物のごとく、合体したものである。  (O.N.Sh)
Cat.no.54 花と水差しのある静物 1929年


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