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グリゴーリエフ、ボリス・ドミートリエヴィチ GRIGORYEV,Boris Dmitrievich |
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| 1886年(モスクワ)−1939年(カンヌ=シュル=メール、フランス) | ||||||
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画家、素描家。 1910年代のペテルブルグ芸術における新古典派を代表する有力な画家。肖像画、風俗画を手がけ、画集を出版し、風刺雑誌への寄稿により名声を博した。 25 缶を持つ少女 Girl with a Churn 1917年 油彩、カンヴァス 71×62cm 1985年、オークネフ家(レニングラード)の遺言により入手 Zh−11143 この作品は1917−18年の「ラセーヤ」(ロシアの古い俗称)の膨大な絵画、版画の連作に連なる絵画である。国の歴史の「転換点」の時代に描かれたこの作品には、祖国の運命を憂える作家の気持ちが投影されている。祖国は伝統的に国の文化のなかでは、とりわけロシアの農村、ロシアの農民のイメージと結びついている。そのころには、すでに肖像画家として名声を確立し、都会派として知られたグリゴーリエフが初めてこのテーマに取り組んだ。ペトログラード郊外やオローネツ県で制作された連作に、風俗画、風景画、典型化された肖像画など、多くの絵やデッサンがある。その最高傑作に数えられるのが、《缶を持つ少女》である。 典型化され、大きいスケールで、観衆に親しみやすく描かれた少女像の中には、あらゆる移ろいやすいもの、日常性を「排除」した、新古典派特有の「偉大なるフォルム」という観念が反映されている。大地の主要素である黄土と緑がこの絵の色彩のなかで大勢を占めている。ヒロインの風貌そのものも、そして、労働に疲れ、陽光と風に曝されて古い木の皮のようになってしまった手は、厳しく、貧しい暮らしが何世紀にもわたって変わることなく営々と続けられてきたことを物語っている。大きく見開かれた少女の眼は森の湖のように蒼く、問いを投げかけているかのようであり、また、未来を透視しているかのようでもある。そこには、未来の大変動、ロシアの農村社会の未来が見えているかのようだ。 この少女像の背景になるのは、牧歌とグロテスクの要素とを複雑に組み合わせた、永遠に過去の彼方へど去つてしまった生活の描写であり、静かな農村の道に佇む農夫や、制作に没頭する画家が描かれている。作家のアンドレイ・プラトーノフや詩人の二コライ・クリューエフが10年後に書いたことを、グリゴーリエフは早くも1917年に絵に表わしていたのである。 (V.F.K.) |
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| Cat.no.23 缶を持つ少女 1917年 | ||||||